わたしのヒストリー

愛犬、わかめについて -人生の棚おろし㉑-

 前回、「娘がうまれた! -人生の棚おろし⒇-」では、長い陣痛の末に娘を出産した時のことを書きました。

今回は、飼っていたワイヤーミニチュアダックスのわかめと娘の、成長の記録について書いていきます。

私は子供ができないと思っていたこともあり、生き物を飼いたいとずっと思っていました。

妊娠するずっと前のある休日、突然ペットショップめぐりをし始めて、そのうちの1軒で出会ったのが、1匹のワイヤーヘアード・ミニチュアダックスでした。

そこはペットショップではなく、厳密にはブリーダーが経営している店だったので、売られている子犬たちの母犬も一緒に飼育されていました。子犬の母を見ればどんな風に成長するのかわかりますし、まず健康かどうか、何回出産しているのかなども教えてもらうことができるため、通常のペットショップで買うのとは安心感が違います。

さらに、ブリーダーの直販なので価格がとっても安いのも特徴です。当時住んでいた家の近くにあったブリーダー直営店にたまたま入って、入った瞬間に目が合ってケージの中を一目散にこちらに向かって走ってくる子犬を見た瞬間に、「ああ、この子と暮らすんだな」というフィーリングが下りてきたのです。

飼い方や注意すること、予防接種の状況などについて一通り説明を受けたあと、おそらく入店から5分も経っていないというスピードで、買うことを決意。
 しかし、一つだけ問題が。自分でもまさかその日に連れ帰ることになるとは思っていなかったので、所持金が全くない!

10万円という安さでしたが、普段持ち歩く金額ではありませんし、カードが使えるのか確認したかどうかは忘れてしまいましたが、とにかくその日に連れて帰ることを決めていたので、お店の人に少し待ってもらうように頼んでから、近くのコンビニに走って10万円をおろし、駆け戻って支払いをし、車の助手席に乗せて一緒に家に帰ってきたのでした。

とてもやんちゃな子犬で、家に着くなり家中を駆けずり回り、テーブルの下に潜り込んだままジャンプして頭をしこたまテーブル下にぶつけたということもありました。歯が生え代わる時期はテレビ台に噛みついたり、スリッパをぼろぼろにしたり、しつけが完了するまではトイレでの排泄もままならず、大変でしたが今となっては楽しかった思い出です。小さな体温が家にいるということの幸せを噛みしめていたのを覚えています。

わかめという名前にしたのは、ワイヤーヘアーだったので通常のダックスと違って毛がくねくねしていて、かつ子犬の頃は毛が黒っぽかったのもあって、夫がそう名付けたのですが、私はたれ耳がサザエさんのわかめちゃんみたいなおかっぱヘアに見えなくもないと思ったので、どっちみちこのネーミングが最高だと気に入っていました。

娘が生まれた時、わかめは4歳で、犬の年齢だともういい大人です。
 でも、天性のやんちゃな性格は変わらなかったので、赤ん坊だった娘にいろいろとちょっかいを出していました。

まず、私が出産のために入院していて不在だった間は淋しかったようで、帰宅して甘えられると思ったつかの間、何かわけのわからないものを持ち帰ってきたということに反応し、態度が一時よそよそしくなったりもしました。

コッドの上に乗せていた娘のおくるみを引っ張って、あやうく床に落下させそうになったり、おっぱいをあげている時にクンクンにおいを嗅ぎまわったり、抱っこしているときに無理やり膝の上に乗ろうとしたりという行動も見られました。

娘が寝ている時は膝に乗せてあげたり、散歩もベビーカーを押しながら毎日連れて行っていたので、そのうち徐々にわかめも娘に慣れてきて、時々一緒に遊んだり喧嘩したり、同じソファの上で寝たりするようになりました。

わかめが突然娘の足を舐めだして止まらなくなり、娘が居心地の悪さに泣き出すということもあったり。

仲がいいのか悪いのか、ほどよい距離感でお互いを警戒しつつ、一緒に成長していった一人と一匹。

娘がまだ小学生だった3年前、病気で8カ月間闘病したのち、14歳でその生涯を閉じたわかめ。

歳を取り、体調を崩すことが多くなってきたころ、娘が家の壁紙の張替えを手伝ってくれている時、涙ながらにこんなことを言いました。

「私、わかめにもっと優しくしてあげればよかった」

きょうだいがお互いを疎ましく思い、嫌いだと思うことはよくあることだと思います。

うちの場合もそうでした。

わかめは、娘にとって4つ上のおねえちゃんだったのです。

同じくらいの大きさだったのに、いつの間にかわかめより大きくなって、一緒に過ごした時間は長いのにあまり積極的にかかわることができなかったことを悔やみ涙を流す娘を見て、なんだか暖かいものが胸の中に広がったのを覚えています。

今からたくさん優しくすればいいじゃない。今からでも全然遅くないよ。

そう答えたら、泣きながらうなずいていた娘。

わかめが闘病している最中は、忙しい私に代わり、わかめのお世話をよくしてくれていました。

楽しい思い出をたくさんくれたわかめ。

犬が好きで飼いたいと思うことはありますが、もうしばらくはわかめとの思い出を大切にしていきたいと思っている我が家です。

さて、今回はここまで。

 次回、「娘が歩き出すまで -人生の棚おろし㉒-」では、娘が1歳の誕生日を迎える頃のことまでを書いていきます。

最後までお読みくださり、ありがとうございました(^^)

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