スピリチュアルなおはなし

パラサイトシングルと介護の問題

 他の国と比べて、日本は独身の子供が実家から出ずに親と一緒に住み続けるケースが多いと言われています。

 私がヨーロッパにいた頃、子供は高校を卒業したら大学の寮に入るなり自立するなりして、親元から離れるのが普通だと知りました。

 確かに、ルームシェアという概念も海外から入ってきたもので、少ないお金でも親元から離れて暮らすために、本来なら一人で払うべき賃料を数人でシェアするという考え方は理にかなっています。

 日本は家制度というものがあったために、海外と異なり子が家に残ることを自然と受け入れる体質にあるのかも知れませんが、私の英国の友人たちからみると、自活せず親元に住み続けることは異質に見えたようです。

 加えて、現在の日本は少子高齢化の傾向が強く、一人の子供が親の面倒を見るために同居しているというケースも少なくありません。一般的に実家で親と同居している独身者をパラサイトシングルといいますが、パラサイトしているわけではなく、昼間は自分が働いて稼ぎ、夜は家で老親の面倒をみているという独身者が急増しているのが現状です。

 私は医療の世界が長かったので、こうした現象をしばしば目撃してきました。と同時に、まだ若く将来のある人たちが、親の世話のために自分の幸せを犠牲にせざるを得ない状況に歯がゆさを覚えていました。

 病気の親、認知症の親、障害のある親、一人では生活できない親の世話をするのは自分しかいない、ここまで育ててくれた親のために自分ができることをしなければ、そんな風に考えて親と同居している人たち。誰かとつきあったり、結婚して家を出ていくという選択肢はないと、その人たちは思っているかも知れません。

 もちろん、親の面倒をみるのは素晴らしいことです。社会的倫理的に照らして考えれば、それが当然だという考え方もあるでしょう。

 ですが、それでは自分の人生を生きていることにはなりません。

 親とともにいることを強いられ、親の世話をすることで、自分の人生ではなく親の人生を生きることに縛られているということです。

 誰にだって幸せになる権利はあるはず。なのに自分が親の犠牲になっているという気持ちを持ち続けていたら、それがいつしか自分の中に凝り固まって、犠牲者マインドが醸成され、幸せをつかむことからさらに遠ざかってしまいます。

 介護は終わりを知りません。

 いつまでこの生活が続くのか、先が見えないものです。

 国は在宅医療を推進しています。医療費削減のために、家で過ごすことのできる人はなるべく家に帰すため、医療制度を診療報酬改定という形で変え続けています。在宅での介護を担当できる人が複数いて、ある程度先が見えていて、家で終末期を迎えることが患者さん本人にとっても家族にとっても幸せなことである場合は、自宅での看取りは推奨されるべきでしょう。住み慣れた家で家族に囲まれ最期を迎えることができることが、やはり一番の幸せだと考えられるからです。

 でも、今は昔と違います。家族に囲まれ看取られていたのは、昔の家制度がまだ残っていた時代のことです。病院で死ぬのが当たり前になっている間に、日本は急速に核家族化が進み、少子化が進みました。昔のように家で看取ることが物理的にできなくなっているのです。にもかかわらず在宅医療を進め、介護負担が一人の家族に集中するような状況を作ってしまっては、ただでさえ少ない若者たちが親の介護のために結婚できず、子供を産むこともできないというバッドループにはまってしまいます。少子化へのアクセルを緩めるためには、若者が結婚し子供を産み育てるための環境を整えることが先決です。なのに一方でその流れに逆行するような施策を推進しているのが、わが国なのです。

 家で親の介護をすることを、私は否定するわけではありません。でも、自分の人生を犠牲にして、ずっと親のために生き続けるのはどうかと思うのです。

 親元にいるだけでパラサイトシングルと言われていしまう傾向がありますが、実際はそうでない人もいるのです。そんな状況がいつまでも続き、疲れ果てた挙句に、介護疲れの殺人に発展してしまうケースもあるでしょう。

 自分がハッピーでなければ、周りの人もハッピーにはなりません。
 できるだけ、みんなが自分の人生を思い通りに生きることができる環境を整える必要があるのではないかと、切実に思います。

 そして同時に、本当のパラサイトシングルの人は、自立する道を探るべきであるとも思います。

 親の庇護のもとにいる間には、知りえないこともたくさん世の中にはあるものです。

 視野を広げるためにも、自分の足で立ち、自分の人生を生きることを検討してみてはいかがかと、そんな風に思います。

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