フリーランスナース。なんて自由な響きなんでしょう!
聞くだけで心が躍って気持ちが軽くなるのは、私だけではないはずです。
少し前まで、フリーランスナースという存在に対し、個人的に感じるのは否定的な感覚でした。
組織に所属せず、スポットの派遣で日銭を稼ぐ、根無し草な人たちというイメージだったからです。
確かに、派遣だけで生活費などを稼いでいる看護師もいますし、働く主なモチベーションが金銭であることを否定するわけではありません。キャリアアンカー(これについてはまた後日書きます)は人によって異なるわけですから、何に重きを置くかは人それぞれの価値観だと思います。
組織のトップをしていると、派遣で色々な看護師がスポットでやってきます。とてもよく働いてくれて、人柄のよい人もいれば、同じ金額をお支払いするのも渋りたくなるような質の低い方にも出会います。ですから、正直言って派遣看護師というものの質の担保は難しいものだと感じています。
フリーランスナースというのは、何も所属を持たずに様々な施設などで働く看護師のみを指すのではありません。看護師としての職能を生かし、施設に所属する以外の方法で、自分の裁量で働く看護師の総称として、フリーランスナースという名称が使われているのが現状です。
ただ、完全にフリーランスとしての活動だけで生活していくのは大変な部分もありますので、派遣看護師として生活費を稼ぎながら、自由な時間を多く持ちフリーランスとしての活動をするという形態が多くを占めるのではないでしょうか。
現在は政府も兼業・副業を奨励していますので、国家資格という専門的な技能を持った看護師が幅広く活躍するために、フリーランスという形態は有意義であると個人的には思います。
では、具体的にどのような活動がフリーランスとして考えられるのかを見ていきましょう。
看護師は、病気や怪我の場面に多く配置されているのですが、予防という領域を考えると、そこに可能性が多く隠れていることがわかります。
病気や怪我の治療は医師にしかできませんから、看護師が独自で活動するとなると、その部分に対する関わりのウエイトは自然と少なくなることがわかります。
病気や怪我の予防には医療行為が伴うことが少ないですから、ここが本来の看護師の専門性を発揮できる場だと考えられます。今は少子高齢社会となり、高齢も飛び越えて超高齢社会となっていく世の中です。それを支える若年層が少子化のため激減することはわかっていますので、お年寄りができるだけ元気で健康寿命を謳歌できるように、病気や怪我を予防する活動が必要となってきます。
また、核家族が当たり前となっており、「ワンオペ育児」という言葉が世間を賑わしたことからも、子育て中の母親が頼れる場所が少ないことが挙げられます。現代社会の抱える病そのものと言ってもいいその部分に切り込むことも面白いですし、また必要なことであるともいえます。
ストレス社会と言われる世の中でもあり、メンタルケアを必要とする方もたくさんいます。心療内科はどこも予約が取りにくい状況です。心療内科にかかる前、要するに医療を必要とするようになる前に、看護師が関わり投薬の事態になることを防ぐということも、非常に重要であると考えられます。
私の場合は個人的に教育とメンタルヘルスに興味がありますので、日々大変なストレスを受けながら働いている看護師の皆さんが少しでも楽しく明るく安全な看護を提供できるようなサポートを、教育的・心理的・管理的視点で提供できたらと考えています。人を育てる側のサポートも積極的にしていきたいですし、新人看護師などの適応障害についての支援にも非常に興味があります。また、忙しい時間を使ったり残業したりしてマニュアルなどを作成する現場の管理的負担を軽くするため、文書等の作成をお手伝いすることも可能です。
このように、フリーランスナースの可能性はとても広いものだと考えられます。病気や怪我という、ごく一部に関わるだけなのはもったいない!病気や怪我以外の部分、つまり健康=予防というところに目を向けると、看護師の活躍する場は今よりもっとひろがるはずなのです。
私がフリーランス事業として行うことを計画している具体的内容は、以下のようなものです。
・看護師に対する研修の実施(教育計画の立案・企画から講義の実施まで)
・看護師教育の実践サポート
・産業カウンセラーとして、一般の方から医療関係者に至るまでのカウンセリング業務
・職場におけるメンタルへルス維持のための組織の構築・維持のサポート
・療養病棟、回復期リハ病棟、地域包括ケア病棟などへのレクリエーションの出前
・マニュアル、定型文などの作成
・看護管理に関する相談業務全般
メンタルサポートについては、まだまだ広範囲にできることが色々あると考えています。
そう考えると、ワクワクが止まりません。
現場で30年近くやってきたことを糧に、今度は現場ナースを支える側に回りたい。
そう切に感じて、そのことに大きな希望を見出している栢森です。
次回は、どのような事業を展開するのか、具体的な部分についてお話ししようと思います。
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