わたしのヒストリー

ある大先輩との出会い -人生の棚おろし⑱-

 前回、「急性期病棟から看護部への異動 -人生の棚おろし⒄-」では、妊娠をきっかけに看護部に異動となった出来事と、その過程で味わった居心地の悪い感覚について書きました。

 今回は新たな出会いと、そこから受けた影響について書いていきます。

 当時働いていたところは病床規模120床程度の地域密着型の個人病院でしたので、民間病院の中でも個性の強い方でした。当たり前のことが通用しなかったり、びっくりするような事件が起きたり、そういったことがよくありました。

 そんな中でも、私が看護部に異動してから起きた人事の変更は、結構インパクトがある出来事でした。

 副看護部長が突然来なくなり退職し、その後ほどなくして看護部長も退職したのです。

 原因は部長と副部長の不仲や、副部長の野心(もともと看護部長の座を狙っていた?)が原因だったようですが、副部長は新たな職を見つけたため、家族の体調不良が原因で故郷に帰るという理由をつけて辞めたのだと聞いています。

 今ではその方は、故郷のある病院の看護部長をしています。

 看護部長が何故退職したのかは記憶に残っていませんが、こちらも新しい就職先に移ったからではなかったかと記憶しています。

 こうして看護部に異動したばかりの私は、一人取り残されることとなります。

 看護部に誰もいなくなってしまうと看護管理業務が滞りますので、院長は以前短い期間に看護部長を務めてもらったことのある、70代のおばあちゃんナースを看護部長として招きました。

 仮にK部長としておきますが、このK部長はまさに「おばあちゃん」的な立ち位置で、私にいろいろなことを教えてくれた、今と思えば恩人の一人のような人でした。

 言葉による教えはもちろん、人としての在り方、おもてなしの心、コミュニケーションの取り方など、彼女の姿勢すべてから学ぶところがあったのです。

 それまでの看護部は、看護部長が男性だったこともありますが、なかなか人に対して心を砕くということがなく、お客さんが見えてもお茶すら出せない環境でした。

 それを疑問にも思っていなかったのですが、お客さんにお茶を出すという当然のことや、スタッフへの声掛け、採用面接に来てくれた人に対するポケットマネーによる交通費のお心づけ(これは賛否ありましたが)など、とことん人を大切にしているというのがわかる対応をしていて、私自身も大切にしてもらったことがとても嬉しく、印象に残っています。

 自費で茶器をそろえ、ポットを持参し、お茶を淹れることのできる環境を整えることから始めたK部長。初めて看護部というところで仕事をするようになった私の目には、勉強になることばかりでした。

 私の体のことも気遣って下さり、出産後は子供を連れてご自宅にお邪魔したこともありました。出産祝いのアルバムまでいただいて、温かい言葉をかけていただき、とても嬉しかったことを覚えています。

 私は祖母を大学生のころに亡くしていたため、祖母のような立場で関わって下さるK部長の存在が大きかったのでしょう。安心するというか、とても楽しい数ヶ月間を過ごすことができました。

 その間、おなかはどんどん大きくなっていき、臨月を迎え、産休期間に入ることになりましたが、子育てを見越してその職場を退職することとなります。

 患者さんと直接関わる機会の少ない仕事でしたが、看護部に異動する経緯の中で学んだことは、確実に今の自分の肥やしとなっています。

 さて、今回はここまで。

 次回は、いよいよ迎える出産のころの出来事です。

 最後までお読みくださり、ありがとうございました(^^)

 

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