人が生きていくためには仕事をする必要がありますよね。
仕事というのは、労働を提供し、その対価として糧を得ることです。
つまり、生きるための糧を得て、衣食住を成り立たせるのが人の生き方です。
昔々の人類は、狩りをしたり果物を取ったり、作物を育てたりして糧を得ていましたが、今では形がだいぶ変わり、金銭という何にでも交換できる糧を得ることにより、生きるという方法を取っていることがほとんどではないかと思います。
狩りが得意でない人は、それでも狩りをしなければ生きていけないので、がんばって何とかしたり得意な人に任せたりして、自分は他のことをやって生計を立てようとしたでしょうし、作物を育てるのが下手な人は上手な人に教えてもらって技術を磨いたかもしれません。生きるために助け合い、苦手なことや大変なことでも、生きるためになんとかこなすということをしてきました。
人間はこのように、嫌なことや辛いこと、大変なことを仕事にするのが当たり前な生き方を長年してきてしまいました。大変だからやりたくなくても、生きるために仕方なくやっているという人の、なんと多いことか。でも、そんな仕事の中から楽しみを見出したり、大変だけど繰り返しやっているうちにコツをつかみ、少しずつ上達して得意になっていくということもあるでしょうから、一概に仕事が楽しくないものというわけではありません。
私は医療の世界で長年仕事をしてきましたが、その中でも最も気の進まない仕事が、医療安全管理というものでした。医療の世界は小さなミスから大きな損失、つまり患者さんの命が脅かされる状況になりかねないものです。ですから安全管理は非常に重要な課題として認識されていて、現在では必ず医療安全管理を実施することがすべての病院に義務付けられています。つまり、安全管理体制がととのっていない病院は、診療報酬を受け取ることができないようになっているのです。簡単に言うと、病院が病院として営業できないということになってしまうのです。
ですから、病院の中では誰かが医療安全管理業務を行う必要があります。
私は十数年前にその任につき、以来ずっと何らかの形でその仕事に携わってきました。
学ぶことが好きなので、人がエラーを起こす仕組みや安全対策に関することなどの、医療安全の知識を学ぶのはとても楽しく、それを自組織で実践していく楽しさも感じました。最初の3年間は基礎固めの期間でもあり、自分の構築した医療安全体制が浸透していくのを実感し、大きな達成感を覚えたこともありました。
そのノウハウがあれば、次の勤務先でもそれを応用して、また組織づくりを一から始めることができましたし、私にとって医療安全管理業務というのは、知らぬ間に得意分野の一つになっていました。職員向けの講義も年間何本も何年間も行いましたし、そのために人前でプレゼンしたり場を回したりすることが苦ではなくなったという副産物を得ることができました。
ですが、実は私は医療安全管理業務が、好きではありません。
得意分野ですが、どうしても好きにはなれないのです。
医療安全という言葉の響きからはわかりにくいかも知れませんが、この仕事は常に「人のミスについて考える仕事」だということがいえます。誰かが犯したミスやエラーの情報を収集し、一つ一つ検証し、対策を考え、同じエラーが発生しないようなシステムを構築し周知徹底を図るという仕事です。この病棟では何件インシデント報告があり、重要度のレベルはどのくらいで、どんな事故が多いのか、そんなことを来る日も来る日も、勤務時間の間ずっと考え続ける仕事です。結果的にはエラーの起きないシステムを構築するという前向きなことに繋げるとはいえ、エラーというどちらかというとネガティブなイメージのあることに毎日触れ続けるという、波動の低い仕事だということができます。
そして何よりも、人がヒトである限り、エラーはなくなりません。新しいシステムを構築したとしても、システムの穴を潜り抜けたり、システムを使用しなかったりするケースが必ず出現します。そしてまた違う種類のエラーが違う状況で発生するという鼬ごっこの繰り返しです。
医療安全とは、決して勝利することのない終わりなきゲリラ戦のようなものであるというのは、私の尊敬するある安全管理の大家の言葉ですが、その通りだと思います。いつどこで、どんなエラーが起きるかわからない。テロリストからの突然の攻撃を、いつくるかどこからくるかと怯えながら待ち構えているようなものです。しかもそのテロリストには、決して勝つことができないというわけです。神経がとてもすり減る上に、これで終わりということがないので、とても長く続けられる仕事ではないというのが私の正直な考えです。
であるにもかかわらず、私はずっと医療安全管理の仕事から逃れられないでいました。どこにいっても任されてしまい、ノウハウがあるため上手くやり遂げてしまうため、さらに逃げられなくなるというループにはまってしまうのです。
はっきり言いましょう。私は医療安全管理業務が嫌いなのです。
嫌いなのに得意なのです。
この現象、正直言って自分でも不思議です。
嫌いでもなんでも、ノウハウを身につけ長年やってくると、経験からたくさんのものを学び、さらに得意になるということなのだと思いますが、得意なのに楽しいとか好きだとか思えないという現象は、やはりあまり理解できません。
世の中には、長年やってきた仕事だから目を瞑っていてもできるくらい得意だけれど、それが好きかと聞かれたら必ずしもそうではないという人、実はたくさんいるのではないでしょうか。
知識やノウハウを身につけ、その仕事を糧に変えて生きていくしか方法を持たないと思っている人たちはみな、得意になればなるほどその仕事が好きでなくなっていく、そんな傾向があるのではないかと、私は思います。
好きではない仕事を繰り返し繰り返し、生きている間ずっとやっていくのは、並大抵のことではありません。ですが、それを勤勉な姿勢だと言って褒めたたえたいかというと、私は賛同できません。
いくら生きるための糧であるとはいえ、ただ生きるためだけに生きている、そんな風に思ってしまうからです。
嫌いだけど得意な仕事を嫌々やって、人生を終えていくことを選びますか?
それとも、自分がやりたいことをみつけて、それを楽しんで人生を送りたいと思いますか?
私は後者を選びたいです。
嫌々人生を送るのは、病気になるリスクも背負うことにも繋がります。
どうか皆さんには、生活を送るために自分の人生を犠牲にするようなことはしないで欲しいと、切に思います。
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