ワンオペ育児という言葉が一般的に使われるようになって、しばらく経ちます。一人で育児をこなさなければならないことを指すもので、母親がワンオペ育児を担っていることがほとんどです。
私も出産直後に離婚して、長いことワンオペ育児を経験してきました。その頃はワンオペ育児という言葉はまたありませんでしたし、twitterやインスタなどのSNSも一般的でない時代だったので、自分の置かれている状況が特殊なものであると思いこんでいましたが、こうやって言葉ができて世の中に広がる程には、ワンオペ育児に悩む人たちが多いのだということがわかります。
子どもが特に小さい1歳未満の頃は、一人ですべてをこなすのはほぼ困難です。物理的に一人ではできないことが多いことがその理由です。
子どもを抱えて買い物に行くこと、子どもをお風呂に入れて自分も入ること、食事のしたくをしながら子どもをみること、部屋の掃除をすること、誰かが子どもをみていてくれれば簡単にできることも、一人でどちらもこなすのはとても難しく、ストレスとなるものです。
幸い私の場合、子どもが1歳になるまでは実家にお世話になることができたので、母に協力を頼むことができました。母も仕事をしていたので、ほとんどの時間は私が一人で子どもと一緒に過ごすことにはなりましたが、それでも精神的な支えがあったことは助かりました。
仕事を始めるため実家を出て、娘と一緒に独立して住むことになった頃から、本格的なワンオペ育児に突入することになりました。日々やらねばならないことに追いまくられる上に、プライベートな時間に一人で行動できることは皆無でしたので、すべて娘を連れてしなければならず、困ったことも一度や二度ではありません。それでも当時は毎日生きていくのに必死でしたし、休日に娘と二人で近所の多摩センターに遊びに行くことを唯一の楽しみに、何とか頑張れていたのだと思います。
それでも時々、一人ですべてをこなすことに疲れてしまうことがありました。
一番つらかったのは、仕事帰りに自転車がパンクしてしまった時のことです。
幸い近くに自転車屋さんがあったので、子どもの手を引きながら重たい電動自転車を押して歩いていき、タイヤを見てもらえるかお願いしたところ、何が気に入らなかったのか老店主が突然怒り出し、路上に放置されるという事件が起きたのです。私は何が起きているのかわからず、老店主に私は何か悪いことをしたのかと尋ねましたが、完全に無視されてしまいました。私はただパンクしていると思しきタイヤを見てもらいたかっただけなのに、小さな子供を連れているのに、お客さんなのに、と、理不尽な対応をされたことに憤りを感じながらも、パンクした自転車を押して家までの距離を歩いて帰ることはとてもできなかったので、半べそを書きながら駐輪場を探し自転車を停めて、電車を使って帰宅してきたのを覚えています。次の休みの日まで自転車は使えず、雨の日曜日に駐輪場の近くに別の自転車屋さんを見つけ出して、片手に傘、片手で自転車を押して、カッパを着せた娘が歩くのを注意しながら、やっとの思いでパンクを修理してもらいました。その自転車屋さんで、最初にお願いした店で無視された話をしたところ、その店主はその周囲の業界の間では有名らしく、電動自転車やスポーツタイプの自転車をみるのが苦手で、そういうお客につらく当たるのだそうです。私はそれを聞いて、やはり自分に落ち度がなかったことを知りほっとする一方で、新たな怒りが湧いてきたのを覚えています。娘はまだ3歳くらいでしたが、ぐずったり不機嫌になったりせずに、一連の出来事に付き合ってくれました。こんな風に日頃一人で仕事と育児を頑張っているのに、自転車屋のおやじに意地悪されるなんてひどいと思い、同時にこの辛さは物理的な辛さもあるけれど、この出来事をシェアする身近な人が誰もいないという精神的な辛さの方が大きいということに気づきました。
家の中の何かが壊れて、自分で修理しなければならないとか、娘と家のことをすべて一人でやらなければならないとか、そういったことはもちろん大変だし、積み重なると身体的な負担となって現れてくるものです。ですが、それよりもっと怖いのは、知らず知らずに蝕まれていく心の変化に気づくことなく、日頃の家事と育児に埋没していることなのではないかと、私は思います。
普段は日常生活を送るのに精いっぱいなので、心が蝕まれていることに気づきません。ですが、何か事件が起きると、それをきっかけに一気に崩壊が進むことがあります。私が一人で育児をしていくことの限界に気づき始めたのも、この自転車事件の後くらいからでした。
いつまでも泣き止まない子どもの頭を力任せに叩いてしまったこともあります。街中で言うことを聞かず、ぐずっている子どもを叱り飛ばし、止まらなくなってしまったこともありました。そのたびに、これではいけない、このままだと子供を虐待してしまいかねないと、自分の精神が壊れていく危機感に、恐怖を覚えたものです。
ワンオペ育児が辛いのは、物理的に援助が受けられないことではなく、そのことによって精神的に蝕まれていくことです。子育てはとても大変ですし、家事も言うほど楽ではありません。ましてや仕事をしながらの生活となっては、誰からの支えもなく一人でやり遂げるのはほぼ困難です。
もしもワンオペ育児に悩んでいる方がいて、辛さを感じているのであれば、周囲にその気持ちを打ち明けてみることをおすすめします。ワンオペ育児の泥沼にはまって抜け出せなくなる人は、たいていがとても真面目な方です。真面目な人は溜め込む傾向にあります。
どうぞ溜まっているものを開放することをためらわないでください。
誰かに話して援助を求めることが、自分と子供を守るたった一つの方法なのですから。
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