スピリチュアルなおはなし

天性のリーダーシップの持ち主が輝ける場所とは

 今日はリーダーシップについて考えてみたいと思います。

 リーダーシップについての考え方で有名なものに、日本の社会心理学者・三隅二不二(みすみ・じゅうじ)が提唱したPM理論というものがあります。
 リーダーシップには二つの要素が必要であり、これがバランスよく備わっていることが良いリーダーの条件であるというものです。

pm.gif
出典:https://leadershipinsight.jp/explandict/pm%E7%90%86%E8%AB%96%E3%80%80pm-theory-of-leadership

この図の縦の軸は仕事を達成する能力で、いわゆる仕事ができる人であるかどうかを見るものです。

対して横の軸は、リーダーとして集団をまとめる力を表しています。
組織のメンバーのベクトルをあわせ、集団として大きな力を発揮することができるかどうかをみています。

よきリーダーとは、この二つの軸の要素をバランスよく持っている人物であるというのが、PM理論の内容です。

特徴として、このPM理論は「かけ算」であるということです。
縦軸と横軸は足し算ではなくてかけ算、つまり、どちらかの軸の要素が0である場合、すべてが0になってしまうということです。

例えば、どんなに仕事の出来が素晴らしくても、人をまとめる力がなく、自分勝手な行動をしている人はリーダーとしては失格ですよね。

これは、縦軸が100点でも横軸が0点だったら、かけ算したら0点になってしまうということを意味します。

要するに、リーダーとしては認められない人ということです。

逆に、人をまとめる力があったとしても、全く仕事ができない人の場合はどうでしょう。

これもやはり、口ばかりで実際に何もできないという烙印を押されてしまう可能性が高いため、リーダーとしては適さないというわけです。

よきリーダーとは、自分の仕事のパフォーマンスが高く、集団の構成メンバーのロールモデルとなる存在であり、かつ人望が厚く、慕われる存在である必要があるのです。

ここに、かつて「法政大学野球部史上最高の主将」と賞された選手がいました。

チームスポーツである野球は、個々の実力が卓越していることはもちろんですが、すべてのメンバーがチームとして一丸となって戦う姿勢を持つことが不可欠です。

彼は、選手としての実力もさることながら、チームをまとめるための素晴らしい素養を持っていました。

他者の気持ちを汲むことに長けていて、いるだけでチームの士気が上がる。
そんな独特の存在感を持っている主将でした。

やがてプロの世界に入り、複数の球団を渡り歩くようになってからも、所属する球団で常にそのリーダーシップを遺憾なく発揮してきました。

法政大学時代に大学選抜選手として、東京六大学野球が行われる明治神宮野球場の創建80周年記念奉納試合に出場した際にホームランを放ち、その10年後にプロ野球選手として90周年記念奉納試合にも同じくホームランを放つという偉業を成し遂げた、ただ一人の選手でした。

彼がベンチにいるだけで、ベンチの雰囲気が変わって、たとえ連敗中でもみんなが前を向いて戦える、そんな存在でした。

個人の能力が高い選手は他にもたくさんいて、それぞれがそれぞれの持ち味を生かしてチームに貢献しています。必ずしも皆がリーダーシップを取らなければいけないかというと、そういうわけではありません。

前述のPM理論に当てはめた場合、縦軸にあたる個人のスキルがどんなに高くても、横軸のマネジメントする力が弱ければリーダー適正に乏しいわけですから、マネジメント能力に乏しい選手が適性のないことに力を注ぐより、個人の成績を上げることを一番に考えた方がチームのためにもなるからです。

でも。

やっぱり少なくとも選手一人一人が、チームのために戦うという意欲を持って試合に臨まなければ、勝利に近づくことはできないと、私は思います。

プロ野球選手は個人事業主の集まりなので、個々の成績によって年俸が変わります。たとえチームが最下位だったとしても、自分の成績がよければ年俸は維持されるわけです。

勝つことを求められるスポーツであるにもかかわらず、 残念ながら 自分の記録を勝利より優先するという事態が起きる可能性があるということです。

それも大事なことですが、私はやっぱり、贔屓のチームには勝って欲しいと思うし、そのための存在がいつもベンチにいてくれることを望みます。

彼がいるだけで、ベンチが活力を取り戻す。
スタメンじゃなくてもベンチにただ居てくれたらいい。そんな思いを込めて、彼を「幸運の置物」と称する人もいます。

実家は2000年続く神社である彼の存在は、本当に大きく、温かいものでした。

今年は成績が振るわず、来季の構想外となり球団から引退勧告を受けた彼は、他球団での現役続行を希望して、この秋の退団が決まったというニュースが、明け方舞い込んできました。

まさか・・・というショックを隠し切れず、それでも何か書きたくて、強いキャプテンシーを持った彼の功績を讃える文章を、こうして綴っています。

その類稀なきリーダーシップを引っ提げて、彼は一体どこへ行くのか。

欲を言えば、神宮球場100周年の奉納試合に出場して、3試合連続10年ぶりという前人未踏のホームラン記録を達成して欲しかった。

でも、彼が決めたことだから、私はその決断を尊重し、応援したいと思っています。

彼がリーダーとして輝ける場所で、彼らしさを失わずに、笑顔で。

目じりに浮かぶ笑い皺が、その優しさを象徴しているようで、心から好きでした。

ビッキー、どこへ行ってもあなたは私の心のキャプテンです。

どうかお元気で、あなたの志を最後まで貫いてください。

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