スピリチュアルなおはなし

「会えない時間が愛を育てる」というのは本当

 その昔、郷ひろみの「よろしく哀愁」という曲がヒットしました。

 もう40年以上くらい前のことです。私はまだ小学生くらいだったので、歌詞の意味などてんで無頓着でした。

 20代半ばで渡英して(「渡英の頃(1)―人生の棚おろし⑪」をご参照ください)、ロンドンと東京を行き来する生活を送っていた時期に、この曲の歌詞をふと思い出すことになる出来事が起きます。

 上のリンクにある記事には書いていないのですが、私はその頃遠距離恋愛をしていました。当時つきあっていた人をロンドンに残し、半年の間日本に戻ってきていたのです。ロンドンは家賃や交通費が非常に高く、バイト代と蓄えだけでは生活ができなくなってきた頃に、半年間だけ日本に帰り、稼いでまたロンドンに戻ることにしたわけです。

 ロンドンと東京は夏は8時間、冬は9時間の時差があります。ロンドンが午後3時になる頃、日本は午後11時を回ります。ちょうどそのタイミングで彼氏から国際電話がかかってくることになっていたので、私は家の電話の前で待ち構え、短い時間だけど電話で声を聴くという日々を送っていました。

 半年間って結構長いんですよね。週末になったら気軽に会いに行ける距離ではないですし(飛行機の直行便で12時間かかります)、とにかく声を聴くだけで会いたいのを我慢するという日々が続きました。

 その頃、ふと冒頭の「よろしく哀愁」の歌詞が思い出されたのです。

「会えない時間が 愛育てるのさ 目をつぶれば君がいる」

 ただ口ずさむだけなら、なんてことない歌詞ですが、当時の私にはこの意味がよく理解できました。

 会えない間、ずっと会いたいと思い、その人のことばかり考えていると、物理的な距離は離れていても、心理的な距離はものすごく近くなっているんですよね。

 俗に言う、「会えなくてもいつもそばにいるよ」という表現、あれはあながち嘘ではないと私は思います。

 会えないからこそ、気持ちがその人に寄り添っている状態というか、妙な言い方ですが生霊を飛ばしているみたいな(笑)。

 ただしこの、「会えない時間が愛を育てる」という理論は、お互いがお互いのことを思っている場合に限ります。

 あまり関係性が深くない人をずっと放っておくと、気持ちはどんどん離れて行ってしまいます。

 例えば付き合い始めたばかりの頃、会えない時間が愛を育てるからしばらく連絡しないでおこうとか言っていると、だんだん気持ちが離れてしまい、別の人に取られてしまうことになりかねません。

 まめに連絡を取って、気持ちを繋いでおくことが大切です。

 私が遠距離恋愛していた当時は、まだインターネットも携帯もありませんでした。あったのはポケベルくらい。連絡を取る手段は家電しかありません。だから毎日ロンドンからかかってくる電話は気持ちを繋ぐのに重要な役割を果たしていました。今はSNSが発達していますし、携帯電話を持っていない人の方が少ない時代ですので、昔より簡単に連絡が取れますし、上手くツールを使い分けることもできます。会えない期間に連絡を取り合いつつ気持ちを高め、やっと会えた時に喜びが頂点に達するということを繰り返すと、どんどん気持ちが近づいていくわけです。まさに「愛を育てる」という感じです。

 そしてこの、「会えない時間が愛を育てる」という理論は、何も恋愛関係だけに通じるものではないということに、最近私は気づきました。

 これも以前の記事に書いたと思うのですが、実は私は父としばらく連絡を取っていません。

 子どもの頃からのいろいろなことが積もり積もって、私の結婚式に出席してくれなかったことがきっかけで私の方から連絡を絶ち、すでに20年が経ちます。当時は一生許すこともないし、会うこともないと思っていましたが、最近は自分の中でのゆるしのワークが進み、会ってみたいと思うようになりました。

 父は私が連絡を絶ってから、自分から私に接触してくることはありませんでした。唯一上の弟が連絡を取ってくれているという状態で、私はしばらくそれに甘えていたところがありました。

 ですが、もう父も歳を取りましたし、私もすでに結婚していないしで、私の妙なこだわりで娘にお祖父ちゃんのいない状態を強いるのもおかしなことだと思ったら、会ってみるのもいいのではないかと数年前から思うようになったのです。

 普段父のことなど全くと言っていいほど思い出すことのなかった20年間でしたが、最近はよく思い出します。20年という月日は彼をどのように変えたかわかりません。外見も中身もです。七十も半ばを過ぎて、どんなおじいちゃんになっているのだろうとか、私の勝手な思いで距離を取ってしまっていたことが申し訳ないとか、そんなことを思うようになりました。もちろん、昔から彼が母や家族にしてきたことは許しがたいことです。でもそれはそれ。今はもうお互い違う人間です。物理的にも中身もきっと違っているはずです。だからもういいんじゃなかと、そんな風に思えるのです。

 先日瞑想をしていたら、子どもの頃のことが思い出されました。あまり多くはなかったけれど、遊んでもらった記憶が浮かんできて、自然と涙がこぼれました。会うことのなかった長い間に、実は家族としての思いは私の潜在意識の中にずっと保管されていて、育まれる時を待っていたのかも知れないと思うと、感謝の気持ちすら湧いてきました。

 今はタイミングをみて、父に連絡して会いたいと思うようになり、まさに会えない時間が父に対する気持ちを育てているような感覚です。

 

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