スピリチュアルなおはなし

自分の中に広角レンズを持とう

 いきなり何のこっちゃ?というタイトルですが、要するに今回のテーマは、視野を広く持ちましょうということです。

 人間はどうしても、自分の観念や価値観のフィルターを通してものごとを見て、判断してしまいます。それは誰でもあることですし、ある意味仕方のないことです。

 例えば、これは私がよく挙げる例なのですが、目玉焼きにしょうゆをかけるかソースをかけるか論争は、フィルターの違いによるものです。
 しょうゆ派の人は、子供のころから目玉焼きにかけるものはしょうゆ以外になかっただけのことで、ソース派の人はソースをかけることしか考えにないだけです。子供のころからの刷り込みはすでにその人の一部となってしまっているため、それ以外のことはすべて違和感となってしまうというわけです。

 考え方も同じで、自分の獲得してきた常識やルールなどのフィルターが、外れないメガネのように体の一部化してしまった結果だということができます。

 ある社会の常識が、別の社会においては非常識だということはままあります。
 それと同じで、自分が「あたりまえ」と思っていることが、もしかしたらそうじゃないかもしれないということを前提に考えてみると、ちょっと面白いことが起きます。

 目玉焼きにはしょうゆ派の人が、しょうゆをかけることは当たり前じゃないかも知れないと考えてみたとします。目玉焼きにソースがかかっている場面を思い浮かべてみたら、確かにお好み焼きに入っている目玉焼きは、ソースの味がすることを思い出しました。そしてそのお好み焼きは、すごくおいしく感じます。また、目玉焼きにケチャップがかかっているところを想像してみたところ、ケチャップソースが使われているハンバーガーの中に目玉焼きが入っているものが思い浮かびました。それも全く違和感なく、美味しく食べることができます。
 それに気づいた瞬間、彼(もしくは彼女)の「目玉焼きにはしょうゆ以外にあり得ない!」というフィルターは消えてなくなり、何でもOKな人になるのです。

 親だからこうあらねばならないとか、近所づきあいはこうするべきだとか、上司だから、部下だから、学校の先生だから、社長だからといった、そういうもののステレオタイプを規定して、その通りに判断しようとするのが私たち人間です。そしてそれはある程度は必要なことで、一般的に規定されているラインというのは確かに存在します。

 でも、そこからだけ見ていると、視野が固定され他には何も見えなくなってしまいます。親だから、子どもの面倒を毎日見るのは当然で、一日たりとも子どもを預けて友達と遊びに行くなんてことはあってはならないと考えて、ストレスを溜め込んでしまうのか、月に一度はリフレッシュのために実家の母に子供の面倒を頼んで、友人と外食することも必要だと考えるか、どちらがいいですかという話なんです。

 「こうあるべき」という考え方は、大きな危険をはらんでいます。自分自身に対しても、周囲に対しても、自分の観念を押し付けて、お互いを傷つけることになりかねません。目玉焼きにはしょうゆをかけるべきだという考えを曲げることができない場合、ソース派の配偶者を攻撃し続けて、そこから関係にほころびが生まれ、やがては離婚に至るということだって十分に考えられます

 一つの狭い領域だけを切り抜いて判断するのではなく、広角レンズのような視野を持って物事を見てみると、いろいろなことがわかるだけでなく、自分自身の肩の力も抜けてラクになることができます。

 特に両親からの教育や言われ続けてきたことの影響が今でも強く残っていると感じる方は、「こうあるべき」というフィルターが強くかかっている傾向があります。

 自分の考えと違う違和感を感じる発言をする人がいたら、ふと立ち止まって「もしかしたらそれもアリかも」と想像してみることをおすすめします。

 もしかするとそれがきっかけで、新しい世界が開けることもあるかもしれませんよ♪

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