競合他社と聞いて、どんな印象を受けますか?
例えば、自動車メーカーのホンダにとって、日産は競合他社ですよね。
同じ業界で同じものを作っている、ライバル会社です。
自社の製品を買ってくれるお客さまを一人でも多く獲得するために、他社に負けないようなクオリティやサービスを追求しようと、企業は頑張るわけです。
ときには、他社の足を引っ張るようなことをする可能性もあります。
日本人はあまりそういうことが好きではない民族性なので、実際のところはどうかわかりませんが、競争が当たり前な欧米ではあからさまな足の引っ張りあいが、繰り広げられることもあるようです。
競合他社を自社より下げるような印象を消費者に持たせれば、自社が他社より評価されるわけですから、それも立派な戦略なのだと思いますが、そうやって得た顧客というのは、もしも次に競合他社が自社を貶めるようなことをした途端に、競合他社に流れてしまいそうな気がします。
結局、卑怯なやり方をして利益を得ても、そのしっぺ返しが必ずあると私は思うのです。
朝ドラにもなったのでご存知の方も多いと思いますが、カップヌードルを作った安藤百福という人がいます。
横浜にカップヌードルミュージアムというのがあって、自分オリジナルのカップヌードルを作ってお持ち帰りできるのですが、そこで安藤百福のカップヌードル開発秘話の展示を見ることができます。
私は朝ドラを観ていないのですが、3年ほど前に行ったカップヌードルミュージアムで、安藤百福の姿勢にいたく感銘を受けました。
最初は小さな、ほんの2畳ほどのスペースの小屋で始まった即席麺作りでしたが、思い通りのものを作るために何度も諦めず挑戦を続けたこと、その過程の中で数々のひらめきを得て、それが今もカップヌードルの製法として生きているということが、とにかく「続ける」ということの意味を再確認させてくれました。
ですが私が一番感銘を受けたのはそこではなくて、安藤百福は競合他社にカップ麺の製造方法を惜しげもなく教えたという点です。
普通だったら、自分が長年たくさんお金と労力をかけて開発した技術を、他社に教えるなんて考えもしませんよね。
特許を取って、自社だけが使えるように独占するはずです。
でも、安藤百福は、いくつもの競合他社に、その製法を公開してしまったというんです。
普通だったら考えられないことですが、何故こんなことをしたのでしょう。
安藤百福は、「この業界に発展してほしいから」という理由で、自らの血と汗と涙の結晶であるカップ麺の製法を、同業他社に広めたというわけなんです。
このことが原因で、カップヌードルの売り上げはどうなったと思いますか?
競合品がたくさん市場に出回って、カップヌードルの売り上げが落ちたと思いますか?
実は・・・・・・
逆に売り上げが上がったというのです!
カップ麺というものが世間に認知されるようになり、カップ麺の売り場面積が広がったために、より多くの人がその手軽さや美味しさを知ることとなって、多くの人が買って食べるようになったため、消費が増えたというのがその理由です。
安藤百福が、競合他社を応援した理由は、みんなで力を合わせてこの業界を発展させたいという思いからでした。
それは、一見自社の利益を損なう行為に見えるかも知れません。
でも、結局は市場が広がり、結果的に自社の収益に繋がった。
これ、実はものごとの本質を映しているものだと、私は思います。
応援するという気持ちは、とても純粋なものです。
競合他社を蹴落として、自社が上に行こうという気持ちは微塵もありません。
自社だけがいい思いをしようとしても、業界全体の認知度が上がらなければ、お客さまに来ていただくこともできないということを、安藤百福は知っていたのでしょう。
応援とは、相手に頑張ってほしい、成功して欲しいと思う、純粋な気持ちです。
スポーツで贔屓のチームを応援しても、自分には直接なんの得もありません。
でも、そのチームが勝ってくれると、応援した自分が満たされます。
それって、愛だと思いませんか?
子供が何かに夢中で取り組む姿を応援する時、親はなんの見返りも求めません。
ただ、純粋に、それを成し遂げたときの笑顔が見たいから、その笑顔に自分も満たされることを知っているからです。
つまり応援は、無償の愛なんです。
誰かを、何かを、応援すると、上向きのスパイラルが発生します。
応援する氣と、応援された人の感謝の氣とが合わさって、高い波動を生みます。
すると応援する人とされる人のどちらもが、高い波動に包まれるわけです。
私は今お世話になっている起業塾で、応援し合うことの大切さを学びました。
頑張っている人を見ていると、自然と応援したいという気持ちになることも実感しました。
たとえ自分と同じようなことをビジネスにしようとしている人がいても、自然と応援できるから不思議です。
それはきっと、起業塾が高い波動で満たされているからではないかと思います。
無償の愛で応援すると、自分にもその波動が返ってきて、自分も応援してもらえるようになります。
結果的に、みんなで成功することができるんです。
これって、人を蹴落とすという考え方と正反対ですよね?
日本人は本来、「お互いさま」や「たすけあい」の心を持った民族です。
日本人には日本人らしいビジネスの方法があるということですね。
日々神々や周囲の人々に感謝して、否定的になったり自罰的・他罰的になったりせず、手を携えて前に進む。
これが上昇気流に乗るための、いちばん大切なことなのではないかと思います。
子供の頃から、誰かを応援することが好きだった私は、今やっとその理由がわかったような気がします。
人を応援すると、自分が幸せになる。
それを知ると、きっとあなたの人生も、上向きのスパイラルに乗っていくに違いありません^^
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