スピリチュアルなおはなし

豊かなはずの日本で自殺と精神疾患が多い理由

 日本という国は自殺国家です。

 15歳から39歳までの死因の第一位は自殺で(厚労省「自殺対策白書」)、第二位までを含めると10歳から49歳までという幅広い層に自殺が多いということがわかります。

 自殺の原因となるものの一つにうつ病などの精神疾患がありますが、2013年の調べでによると、一生のうちに13人に1人がうつ病に罹患する計算になるそうです(ファイザー「うつ病の患者数」)

 日本は豊かな国で、物質的には非常に恵まれています。食べ物があふれ、コンビニに行けばさほど高いお金を払わずともすぐに食べられるものが売っています。雨風をしのげる家があり、テレビや冷蔵庫、洗濯機が設置されていて生活は便利なものです。スマートフォンと持っている人も多く、情報はインターネットで手軽に手に入り、必要な援助も比較的容易に得られる時代です。なのになぜ、これほどまでに心を病み、死を選んでしまう人が多いのでしょうか。

 戦後日本は急速な復興を遂げ、理想とする豊かな社会を実現してきました。活気があったその頃の日本において、復興し発展することは国民の目標でもありましたし、多少の犠牲を払っても目標に向かって邁進し、その効果を日々感じることで、精神的にも豊かになっていったのだと思います。戦後の東京を描いた映画などに象徴されるように、復興のシンボルだった東京タワーが完成に近づくとともに、国民の気持ちも上向いていったのではないかと思います。

 恐らく日本人はいまだに、その頃のメンタリティのままでいるのでしょう。多少の犠牲を払わなければ豊かにはなれない、豊かになるためには辛いのは仕方がない、幸せになるためには代償が必要だ、という考えです。

 確かに、働いて収入を得るために、または何かを完成させるためには、寝る時間や休む時間を削って働けば、少しでも多くの収入が得られ、何かを完成させるスピードを速めることができます。

 戦後の復興という目標があった頃はそれでよかったのでしょう。復興という短距離走を走り切れば、少しくらい息が切れても構うことはなかったはずです。ですが、現代でもそのメンタリティを引きずっているのであれば問題です。短期目標を達成するために全力疾走で走ることはできても、一生全力疾走を続けることは物理的に不可能だからです。

 現代日本は少子高齢社会となりました。若者が生まれず育たず、老人が増え続け、たくさんの人が死んでいく時代に突入したのです。今後どんどん人口が減り、国として老いて、やがては死んでいく運命にあります。

 そんな環境の中で、昔と同じように全力疾走で走り続ける意味がどこにあるでしょうか。

 国民として、国の消滅は嬉しくない出来事ですから、子どもや孫やその次の代以降も幸せに暮らせるように努力する必要はあります。どうしたら国力を維持できるのかを、国民全員が真剣に考える必要があるのです。その一つの手立てとして、精神的に病んでしまう人たちや、若い命を無駄にする人たちを減らす取り組みは効果的であるといえます。国力が衰えようとしている時代、将来が明るいと感じられないこの時代において、物質的な豊かさは何の意味も持ちません。欲しいものはたいてい手に入り、生活にも不自由することはなく、手のひらのなかでほとんどの情報を手に入れることができるスピード感のあるこの時代に、さらに全力疾走を続け、自らの生活を振り返ることもなく、ただただ日々を受け流していると、精神的に豊かになることは忘れられてしまうのです。

 人は感情の動物です。いくら頭で理解していても、感情が拒否すれば上手くいかないということは、誰しも経験があるのではないでしょうか。給料のいい職場に勤めてみたはいいけれど、ウマが合わない同僚がいて仕事に行くのがストレスだという場合は、給料よりも職場に行くストレスの方が負担となり、離職行動に繋がる可能性があります。勉強しないと成績が悪くなることがわかっていても、ついゲームをしたり遊びに行ってしまったりと、楽しいと感じることに行動がシフトしてしまうものです。

 辛いと思う環境に身を置き続けると、心の豊かさは得られないままです。目標があってそのために一時的にそこにとどまるのであれば、期間限定の短距離走と考えられるため大きな問題はないでしょう。多くの日本人は、自分の置かれている環境に甘んじて、あるいは縛られて、心をすり減らし、見た目の豊かさに埋没しています。好きでこんな環境にいるんじゃないと、反論される方もいるでしょう。確かにそうです。身動きが取れない時期も人生の中には何度かあります。ですが、それは本当なのでしょうか。実際は身動きが取れないと思い込んでいるだけなのではないでしょうか。自我を遠ざけ、客観的に自分の置かれた状況を観察してみることで、思いがけない解決策が見えることが多いのですが、実際にはそんな余裕もなく、疲弊しきっていて、考える力すらもなくしてしまった人がたくさんいるのです。

 誰かに相談するというのは、よい解決策の一つです。気持ちに余裕がなくなってしまうと、視野がとても狭くなってしまいます。他者からのアドバイスや異なる視点からのものの見方を経験してみると、文字通り視野が広がって、それまで悩んでいたことが嘘のように解決することが往々にしてあります。

 情報社会であるからこそ、上手く情報が取れないまま、孤立して追い込まれてしまう人も多いものです。誤解を恐れずに言うと、他者からみたら「そんなのたいしたことない」と思えることで悩み、心をすり減らしている人が、少しでも前を向いて歩くことができるような世の中になればいいなと、心の底から思います。

 そんな「どうでもいいこと」で心を病んでいた私だから言えることを、これからも少しずつ書いていきたいと思っています。

 

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