突然ですが、あなたは日本の神話をご存知ですか？
今年は天皇の御代替わりがありましたので、これまで神話などに興味がなかった方でも、アマテラスオオミカミの名前くらいは聞いたことがあるかと思います。
では、アマテラスオオミカミとは何をした神さまでしょうか。
天の岩戸に隠れてしまい、世の中が暗闇に包まれてしまったというエピソードはあまりにも有名です。
ですが、その他のことはどうですか？ 天皇家が代々皇居の中にアマテラスオオミカミを祀り、日々日本および世界の平和を祈っているというのは、どうしてだかご存知ですか？
では、アマテラスオオミカミ以外の神さまのことはどうでしょう。 オオクニヌシノミコトは？ 何をした神さまですか？ スサノオは？ ニニギノミコトは？ サルタヒコは？ イザナギとイザナミは？
この質問にすべて答えることができる人は、ごく一握りなのではないでしょうか。
日本には古事記という書物があり、そこには日本の神話が記されています。日本がどのようにして作られたか、神々が何をして、どう生きて、今の世につながっているのか、普段何気なく使っている言葉の意味まで、神話を遡ることで本当に理解できたりするものです。
ですが、現在の日本では、日本神話の教育はご法度とされています。
戦後、米国の占領軍が日本に駐留していた頃、日本の軍国主義を正すために取った政策の一つとして、神話を拠り所にした日本人の考え方を変えさせるということがありました。
日本人の精神的強さは、神武天皇から２６００年以上続く天皇を中心とした強固な民族性から来ていると戦勝国は考えたからです。
国民が一丸となって、アジアの平和を守るために宣戦を布告し、苦しい中でも国のために戦ったその精神的強さを、戦勝国は恐れました。
日本を骨抜きにするためには、私達が拠り所にしている神話を奪うのが一番だと考えた結果、今私達は日本人であるにも関わらず、日本の神話についてほとんど皆無といった程度の知識しか持っていないのです。
戦争に負けた日本は、セルフイメージが極端に低い状態でした。食べるものがなく、着るものもなく、住むところさえも失い、占領軍に物乞いをせざるを得なかったことからも、その頃の日本人のセルフイメージの低さを容易に想像することが出来ます。
そんな状態にある時、自分たちが負けた相手がとても大きく強く、正しく見えて、それまでの自分たちの価値観がすべて誤っていたと思い込んでしまうのは当然のことです。
それはおそらく、神話を中心にした教育が間違っていたと考えるに充分な環境だったのではないかと思います。
ですが、それはもうすでに過去の話です。
終戦からすでに７０年ほどが経過した現在、私達はそろそろセルフイメージを適正に戻すべきではないでしょうか。
日本というのは素晴らしい文化を持った国です。日本古来のものはとても美しく、色彩に溢れ、荘厳で、心洗われる佇まいをしています。
全国にはコンビニの数よりも多くの神社があると言われていますが、その多くが経営の危機に陥り、少しずつ数を減らしているといいます。
日本の心、真髄を今に伝える神社という存在が廃れていくのを、このまま見ているわけにはいきません。
神話を忘れた国は１００年で滅びると言われていますが、戦後７０年以上が経過した今、すでに残された時間はあまりありません。
ハロウィンやクリスマス、バレンタインにイースター、そういった海外からの風習を取り入れて発展してきた日本の力はとても強く、良いものだと思う反面、自国の文化を大切に守る意識がない国は、いずれ散り散りになってしまうという危機感もまた、強くなっていくのを感じます。
神さまを大切にする心を、見守られていることに対する感謝の気持ちを忘れずに、古い文化や風習をないがしろにせず、育てていくことができる日本人でありたいし、それを知らない若い世代に繋げていくのが私達の世代の役割です。
日本を愛する心を持ち続け、温故知新の心で、謙虚に生きていきたいものですね。
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